靴と足の話
靴の基本構造
A.実用面を重視して設計された靴
直立2足歩行をするための『快適な環境』を作ることが実用面を重視した靴には求められます。
快適に歩き、走り、作業することのできる靴には、安定性、屈曲性、クッション性、保温性、通気性、路面把握性など様々なことがらが要求されます。
そして、これらの要求に応えられる靴が足の健康、ひいては人の健康に『良い靴』といえます。
そのためには先に述べた多くの要求に応えることのできる構造を靴が持っていなければなりません。
『良い靴』に必要な基本的構造を備えたオックスフォードタイプのコンフォートシューズを例に、靴の構造とその機能について説明します。
靴からおこる足のトラブル
外反母趾などの障害はそのほとんどが後天的、外部的な要因で起こります。そしてその最大の原因が靴によるものです。
a.外反母趾(バニオン)
外反母趾は、靴による足への圧迫によりおこります。
健康な足趾(そくし)は地面を蹴りだす時、外側に開こうとします。
しかし、小さな靴に足趾をいっぱいに入れて履き続けると、指は強い圧迫を受けて変形をはじめます。
そして、長い歳月をかけて親指が小指側に曲がり、中足趾節関節(ボールジョイント)が『く』の字に変形して指が開かない状態になります。
足に良い靴の選び方
a.日本での靴選びの現状
日本では靴選びの時、靴が十分に足をサポートしてくれるかどうかと言うことよりも、脱ぎ履きのしやすさのほうが重要視されてきました。このことは日本家屋の構造に大きな原因があります。家屋内では靴を脱ぐ習慣があるために家の出入りの度に頻繁に靴を脱ぎ履きする必要があるからです。
それに対して、室内でも靴を履く習慣の西欧から入ってきた靴やブーツは、長い時間履き続けることを前提に作られていますから着脱の容易さはさほど重要ではなかったのです。日本でも以前は用途によって多様な履物を履き分けていました。
例えば江戸時代、人々は家のまわりでは下駄や草履を、長旅をするときは草鞋を、と言う具合に履き分けをしていたのです。草鞋の紐は長旅の足元を支えるサポーターとして重要な役目をしていました。
ところが靴が普及するにつれて、この履き分けの習慣が何処かに行ってしまいました。本来、草鞋と同じく紐を締めることで足をサポートする靴などの履物を下駄や草履のように紐をしたままの状態で脱ぎ履きするようになったり、パンプスやローファーがその着脱の容易さから広く使用されるようになって行ったのです。
正しいサイズの選び方
いくら良い靴でも、サイズが合わなければ足に良いわけがありません。ここではサイズ規格の多様性と実際のサイズ合わせについて触れてみます。
a.靴の表示サイズ
正しい靴の履き方
知っているようで知らないのが、靴の正しい履き方と脱ぎ方です。
パンプスやローファーはそのまま履きこめばよいのですが、紐やベルト、マジックテープなどの付いた靴は、正しく脱ぎ履きしないと靴も足も痛みます。
a.下準備1(靴下)
靴下は靴の履き心地に大きな影響を与えます。正しく履かないとつま先の動きを悪くしたり、指先の蒸れや外反母趾をはじめとする足の障害の原因になります。
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