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現在、コンフォートシューズではヒールとアウトソールを発泡ゴムや発泡ウレタンで一体整形してアッパーに接着(又は溶着)することが一般的になりました。
伝統的な革靴では左の図のようなグッドイヤーウエルト製法で革のアウトソールと縫い合わせてありました。 |
スポーツシューズではアウトソールは基本的に 革靴の中物に相当するミッドソール(A)、踵を構成するウエッジソール(B)、靴の底面全体を被い接地性を高め、磨耗を防ぐアウトソール(C)の3つの部分に分かれます。
現在、アウトソールは必ずしもこのようにはなっていませんが、基本的な考え方は変わっていません。 |
ヒールカウンター(着地時の安定性を高め踵の追随性を高めるため、人の踵の丸みと同じ形に成型された靴の踵の芯)
踵の形に整形されたヒールカウンターは踵を正しく支えることで着地時の横方向のズレを防ぎ、蹴り出しのとき、靴との一体感を維持することで靴を体の一部として履き手に違和感を感じさせない効果を生みます。踵の正確な追随は靴の後部での摩擦を抑え、踵の底部と後部(アキレス腱の付け根)に起こる肉刺(まめ)や胼胝(たこ)を防止します。 |
アーチバンテージ(土踏まずから甲までを包み込んで足部のバネを支える)
シューレース(靴紐/アーチバンテージの一部として包み込む強さを調整する) シャンク(人が土の上に立つときの踵からボールフレックスラインまでの自然なカーブを靴底に再現して基底部を支える鋼材) |
アーチクッション(スポーツシューズや一部の革靴に採用されているシステムで、中敷の一部が盛り上り土踏まずを下から支える) |
トースプリングは靴の屈曲部からつま先までの上方への反りで、屈曲部を支点にして踵からつま先への重心移動を滑らかにします。
トースプリングの確りしている靴は屈曲時のしわの発生が少なく、親指と小指の外側や足指の背面にできる肉刺(マメ)の発生を抑えます。 踵の後方に設けられた傾斜は、着地時の接地面を増やす効果があり、着地安定性を高め、足のぐれを防止します。 |
インソールは非常に薄い板状の部品ですが、剛性が高い素材でできていてジャンクと共に靴のフレームを構成します。
現在では複合する素材で構成されているものが多く、ボールフレックスライン(靴の屈曲部で、足のボール部の屈曲に対応するようできた部分)より後方は硬く曲がりにくい素材が、前方には弾力性があり後方の素材よりやややわらかい素材が、そしてボールフレックスラインには上下方向のみに屈曲する素材が使われています。 シャンクは踵により中空になった本底(アウトソール)を支えます。 |
現在ではほとんどの靴がソールとヒールが一体になった底をもっています。 一体型のソールは足の裏の自然なカーブを下から支えると共に、弾力のある発泡素材の採用で着地から蹴り上げまでの衝撃を緩和するようにできています。発泡素材は比較的磨耗に弱いため、ランニングシューズなどのスポーツシューズに使われている3層構造(硬度の違う種類の発泡ゴムスポンジとグリップの良いゴムのアウトソールの組み合わせ)を採用している革靴も出てきています。 |
トーボックスは靴の前方にあり、爪先より長く伸びた中敷と甲皮(アッパー)との間にできる空間です。 |
先芯は、つま先部分の上方空間を確保するために靴の先端に入れる芯です。トーボックスは先芯により十分な高さを確保していることが重要です。
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トーボックス(靴が曲がるとき、この空間が潰れて容積が小さくなり空気が後方に押し出されることで、発熱、発汗により高温で湿気の多いつま先の空気を履き口に送り、外に排出する)、エアホール(トーボックスや土踏まず部の側面などに開けられた小さな穴で、湿った空気を排出して乾いた空気を補充する) |
エアホール(トーボックスや土踏まず部の側面などに開けられた小さな穴で、湿った空気を排出して乾いた空気を補充する) |
中ヒールのパンプス |
上方からの写真です。広い開口部が御覧いただけます。 |
コインローファ(甲の部分にチップ用のコインを納めるスリットがあるのでこの名が付きました。) |
指先に近い部分まで甲を露出することで脚を長く見せる効果があります。 |