安静時の赤ちゃんの足。 紅葉の様に指が開いてい ます。 |
足趾の屈折 足の裏の指の付け根を刺激 すると赤ちゃんは足趾を屈 折させます。 |
バビンスキー反射 足の裏から見ると足趾が大き く開くのが確認出来ます。 |
バビンスキー反射 内足側から見ると母趾が上 方に伸展しているのを確認 できます。 |
右の写真はアメリカNIKE.INC製の『NIKE FIRST CRAWLER』です。CRAWLER(這う人)の名のとおり『はいはい』をし始めた頃から履き始める乳幼児用のファーストシューズで、樹脂製のアウトソールとニット製の靴下状のアッパーから出来ています。骨格を結束する靭帯やアーチを高く引き上げる働きをする筋が未発達の状態の乳幼児の足を足の裏から側面にかけて強力に支えるため樹脂製のアウトソールが中足部から足根部にかけて上方に立ち上がりクレードル(ゆりかご)状のイクステンデットヒールカウンター構造をしています。
爪先部は指先の上方空間を確保するためアウトソールと一体のトウキャップを採用しています。 |
また、トウキャップの一部は甲の一部に延長されていて外部からの偶発的な衝撃(打撲等)から足を守るトウガートとしての役割も果たしています。
トウキャップとアウトソールの間には、内足側と外足側に大きな切れ目を空けていて、そこに伸縮性の高いニットの部分だけを残すことで足趾の横方向への開き出しを妨げない工夫がなされています。 |
次の写真はこのファーストシューズを曲げたものを内足側から見たところです。
大きく屈曲した部分に乳幼児の母趾球が来るように設計さています。 その先でもう一箇所上方に曲がっている場所があります。この手前までが足趾の収まる場所で、その先はアッパーと足趾との間のトウボックスと呼ばれる空間です。 足趾を保護するためや、足趾を外気の温度変化から隔離して足趾の皮膚温度を安定させるため、シューズを屈曲させたときにこの空間の容積が変化することを利用してシューズ内部を換気させる(ふいご効果)必要から設けられています。 |
トーボックスの部分でアウトソールを上方に曲げてあるのには理由があります。それは、歩行時に脚を高く持ち上げることがまだ上手に出来ない乳幼児が些細な床面の突起に爪先を引っ掛けて転倒するのを防ぐためと、足趾で直接床を踏む感覚を妨げないためです。 |
次の写真はこのファーストシューズを底面から見たところです。踵の部分がカップ上になっていて、土踏まず部もややくびれた形をしています。これは、乳幼児の足の裏の凹凸に合わせて樹脂で出来たソールの上面を成型してあるためです。これによって乳幼児の足の裏は柔らかな土壌の上で歩くときと同等に足の裏全体で加重を負担することが出来ます。
ポインターを写真に当てると乳幼児の足型のイラストと重ねて表示されます。乳幼児をお持ちの方はファーストシューズを履かせるときの目安としてご覧ください。(ブラウザがアクティブなコンテンツをブロックしている状態では、ブロックを解除しないとご覧いただけません。) 外出時を中心に設計されたファーストシューズでは靴下の装用を想定して設計されていますが、この靴(NIKE FIRST CRAWLER)は専ら室内での使用を前提として設計されているため、素足で着用します。 |
上履きが子供たちの足に与える影響に関し学校関係者の認識は非常に低く、上履きの選定にあたり彼らの選定する上靴の優先事項は、子供たちの足の健康ではありません。 低価格であることと脱ぎ履きの簡便です。 そのため、長い間、前バンドや前ゴムと呼ばれるタイプ(写真左側)の上靴が日本中の幼稚園や小学校で採用されてきました。
しかし、このタイプの靴は足の保護のために最も重要なインステップ(足の甲から土踏まずに掛けての外周)部のサポート性が非常に低く、脱げ易いため、ほとんどの子供たちは靴のサイズを小さくして足全体でフィットさせる履き方をしています。 この履き方では、足趾は靴から強い圧迫を受け、容易に変形を始めます。近年多くの子供たちの足に変形の症例が数多く見られるようになりました。そのため、これに対し一部の整形外科医や足病医がマスコミを通じて警告を発し始めました。 この警告に呼応する形で一部のメーカーから靴による足の変形や障害に着目し、外反母趾対策と銘打ったマジックテープのストラップ付上履き(写真右側)が発売されるようになりました。 |