(図10-1) |
(図10-2)
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(図10-3) |
(図10-4) サイズ27.0cmの革靴とサイズ27.0cmのスポーツシューズの大きさ比較 ロックポートの27.0pの革靴(左) ナイキの27.0cmのスポーツシューズ(右) 明らかに革靴の方がスポーツシューズよりも大きいのが判ります。 |
(図10-5-1)
27.0cmのNIKEランニングシューズインソール上の全長27.0cmの骨格模型。 インソールの全長と足の骨格の全長が同一の為、足指はインソールより横方向にはみ出しています。 実際のシューズの中では足指の骨格は爪先の狭い部分に押し込められ、結果として様々な足指の障害の原因となります。 外反母趾(バニオン)、内反小趾(バニオネッタ)、外反扁平足、陥入爪、槌状趾(ハンマー・トー)、浮き指、足趾外側面のタコやマメ、爪の根元の爪母細胞組織からの内出血、等々の原因はすぺてここにあります。 |
(図10-5-2)
28.5cmのadidasバスケットボールシューズインソール上の全長27.0cmの骨格模型。 インソールの踵部から拇趾球部までの長さと骨格模型の踵から拇趾球までの長さが合っていない為、図10-2同様、模型の足指はインソールより横方向にはみ出しています。 図10-5-1より足指の靴の前足部からの圧迫はやや改善された状況になりますが、それでも外反母趾(バニオン)、内反小趾(バニオネッタ)、外反扁平足、陥入爪、槌状趾(ハンマー・トー)、浮き指、足趾外側面のタコやマメ、爪の根元の爪母細胞組織からの内出血、等々の足の障害を解消するまでには至りません。 |
(図10-5-3)
全長27.0cmの足の骨格模型を載せた全長29.5pのadidasバスケットシューズインソール。 靴の踵部から屈曲部までを足の踵から拇趾球までの距離とを合わせた上、踵部のヒールカップと土踏まず部から甲にかけてのインステップ部で足を靴に確実に固定すできれば、爪先部に十分なトーボックスを確保する事が出来ます。 トーボックスは爪先が靴の甲革に直接接触しないことで、 (1) 指先の温度を一定に保つ、 屈曲時にトーボックスが変形することにより容積が変化を利用して (2) 爪先部の高温多湿の空気を履き口部まで掃出し、新鮮で乾いた空気を爪先部に流入させる(フイゴ効果)、 (3) 爪先が屈曲により前方に移動しても靴の先端部にあたらないだけの空間を確保する、 以上、3点の目的のために意図的に設けられた大切な空間です。 |
(図10-5-4) 全長27.0cmの足の骨格模型を載せたサイズ27.0cmのロックポート紳士革靴のインソール インソールの実測長は29.5cmでした。 アディダスバスケットボールシューズの29.5cmのインソールと同じ長さでした。 水色の帯の部分は靴の屈曲部(ボールフレックスライン)を表しています。 屈曲部はご覧のように骨格模型の屈曲部より踵部よりにあります。 この図から靴のサイズがいまだにやや小さいことが判ります。 |
(図10-6) 全長27.0cmの足の骨格模型を載せたサイズ28.0cmのロックポート紳士革靴のインソール インソールの実測長は30.5cmでした。 |
(図10-10) ラスト
上の写真でラスト底面に引いた赤線に接している部分が拇趾球部になります。 拇趾球部からJまでの黄線が日本人の標準的な足指の長さを表します。 拇趾球部からEまでの白線がイギリス人の標準的な足指の長さを表します。 下の写真は日本人の足指が収まる範囲を黄線で、白線までがイギリス人の足指が収まる範囲を表しています。 赤の斜線は拇趾球から小趾球までを結ぶボールフレックスラインを表しています。 |
(図10-10) 29.5pソックライナー上の27.0p骨格 |
右の図の赤線(A)がインソールの全長です。
スポーツシューズはインソールの全長をサイズとして表示しています。 白線(B)がこの靴に最適な欧米人の標準的な足の全長を表しています。 革靴はこの靴に最適なイギリス人の標準的な足の全長をサイズとして表示しています。 緑線(C)がこの靴に最適な日本人の標準的な足の全長を表しています。 日本人はイギリス人に比べ拇趾球から爪先までの足趾部が短いので、つま先にイギリス人より長いトーボックスが残ります。 黒線(D)で示した『踵から拇趾球中心までの長さ』(アーチレングス/arch length)と『靴のヒールカップから屈曲部まで』の長さを合致させることで最適な靴を正確に見つけ出す事が出来ます。 |
(図10-11) アーチレングスとワイズ |
シューフィッティングにとって最も重要なのはアーチレングス(arch length)とワイズ(width)です。
最初にシューズのヒールカップに踵を密着させ、拇趾球が靴の屈曲部と合っているか確認します。 次に、拇趾球から小趾球までの横幅がシューズの横幅と合っているか確認します。 この2点が確認できればサイズはあっています。 靴のつま先に大きな空間が空いていても構いません。 日本人の足は決して幅広甲高ではありません。 最低でも2.54cm爪先を開けて履かなければいけない靴を1cm前後の隙間しか開けずに履くため、常に爪先が圧迫され自分の足が幅広だと勘違いしているだけなのです。 ワイドやスーパーワイドの靴など必要ないのです。 日本人の足の民族的特徴はイギリス人の標準的な足に比べ、踵から拇趾球までの長さに対する拇趾球から爪先部までの長さが短いことにあります。 |